ウナギ(鰻、うなぎ)は、ウナギ目ウナギ科 Anguillidae に属する魚の総称。その内の一種 Anguilla japonica (英名:Japanese eel)を指し、これをウナギ属 Anguilla に属する他の魚と区別してニホンウナギと呼ぶこともある。
蒲焼や鰻丼などの
ラブホテル調理方法が考案され、古くから日本の食文化に深い関わりを持つ魚である。しかし川と海を行き来(回遊)し、ある程度地上を這って移動するなど、その生態は意外と知られていない。また研究者の間でも、近年まで産卵場すら正確には把握されておらず(2006年にスルガ海山と判明)、ウナギの詳しい生態に関してはまだ謎の部分が多い。
ウナギは高タンパクで消化もよく、日本料理の
絵文字食材としても重要で、鰻屋と呼ばれるウナギ料理の専門店も多い。皮に生息地の水の臭いやエサの臭いが残っているため、天然、養殖を問わずきれいな水に1日〜2日いれて、臭みを抜いたものを料理する(泥抜き・臭み抜きと呼ばれる)。
夏バテを防ぐためにウナギを食べる習慣は、日本では大変古く、万葉集にまでその痕跡をさかのぼる。
徳川家康の時代に江戸を開発した際、干拓によって多くの泥炭湿地が出来、そこに鰻が住み着くようになったため鰻は労働者の食べ物となったが、当時は蒲焼の文字通り、蒲の穂のようにぶつ切りにした鰻を串に刺して焼いただけ、という食べ方で、雑魚扱いだった。鰻が現在のようなかたちで一般に食べられるようになったのは江戸後期からで、特に蒲焼は江戸発祥の料理であることから、江戸の代表的食物とされる。蕎麦ほど徹底した美学はないものの、「鰻屋でせかすのは野暮」(注文があってから一つひとつ裂いて焼くために時間がかかる)、「蒲焼が出てくるまでは新香で酒を飲む」(白焼きなどを取って間をつなぐのは邪道。したがって鰻屋は新香に気をつかうものとされた)など、江戸っ子にとっては一家言ある食べものである。
なおウナギの血液には
グラビアアイドルイクシオトキシンという毒が含まれるため、生で食べることはできない。ただし熱を加えると変性し毒性が消えるので、加熱調理した分には危険はない。生でも血液を完全に抜いて酢でしめれば刺身で食べることもできる。
ちなみに土用の丑の日や夏バテ予防に食べられるが実際はウナギの旬は冬で、秋から春に比べても夏のものは味がおちる。
また、古くから日本固有の俗信として、鰻と梅干は食いあわせが悪いとされる。
ウナギを食材とする料理には次のようなものがある。
白焼
たれをつけずに炭火で焼く。ワサビ、大根おろしまたはショウガ醤油などをつけて食べる。
う巻き
鰻巻き。ウナギの白焼きまたは蒲焼を芯にして巻いた卵焼きのこと。とき卵に出汁を入れ、出汁巻き卵をつくる要領でウナギを巻く。小口切りにして切り口が見えるように器に盛り、木の芽などを添えて供する。「う巻き卵」とも。稀に「ウナギのゴボウ巻き」(京都料理の八幡巻)をう巻きと呼ぶこともある。
蒲焼
日本で最もポピュラーな料理法。開いて頭と骨を取り去った身に串を打ち、たれをつけて焼く。関東では背開きにしていったん蒸し上げたものを焼くが(腹開きのうなぎを蒸すと串から身がはずれてしまうため背開きとなる)関西では腹開きにし、蒸さずに焼く。九州では背開きで蒸さずに深めに焼くものが主流。当初は筒切りにしたウナギに縦に串を打ち、焼いたものに山椒味噌などを塗って屋台などで供されていた。その形が「蒲の穂」に似ていたことから蒲焼の名がついた。油が強い為、労働者などには喜ばれたが下賎な食べ物とみなされていた。一般に広まったのは開いて焼いたり蒸したりして油を落とすようになってからである。
日本で土用の丑の日にウナギの蒲焼を食べる習慣は江戸時代に平賀源内によって広まったという説が伝わっているが定かではない(夏にうなぎが売れない事をうなぎ屋が源内に相談したら、表にはるように土用の丑と書き渡されたところ売れるようになったとのこと)。近年では寒の土用の丑の日も広まりつつある。
鰻飯
御飯の上に蒲焼を乗せたもの。用いる食器によって鰻丼と鰻重に分けられる。食べる前にタレをかけ、山椒の粉を振りかけるのが一般的である。
ひつまぶし
名古屋名物のうなぎ飯の一種。ルーツには各種の説がある。名古屋市熱田区のあつた蓬莱軒が登録商標しており一般に同店が元祖の一つであると消費者から認識されている。うなぎの蒲焼を5ミリ〜8ミリ幅に細切りにしたものをおひつのご飯の上に載せて供される(あつた蓬莱軒では木の切り株状の器を使う)。食べ方は(1)一杯めは、おひつのご飯とうなぎを混ぜ、茶碗によそって食べる。(2)二杯目は、わけぎと海苔の薬味をいれて食べる。(3)三杯めは、出汁とわさびでウナ茶づけで食べる(この食べ方では、うなぎは蒸していない関西風を使う)。四分割しておいて最後に自分の一番好きな方法で食べることを推奨する店もある。
せいろ蒸し
福岡県柳川地方を中心とする北部九州では有名な鰻飯で、コンビニやデパート地下の食品売り場でも見かける。柳川の城主が冷えた鰻重を暖めなおす方法として始めた、とされる。うなぎの蒲焼きと、タレを混ぜ込んだご飯を蒸篭で一緒に蒸すことで、うなぎやタレのうまみが芯まで染みこみ独特の香ばしさと風味を引き出す。通常は錦糸卵を乗せ、店によってはご飯の間にも蒲焼きを挟んでいることがある。